
WordPressで記事を削除したけど、あとから「やっぱり元に戻したい」と思ったことはありませんか?
そんなときに便利なのが「ゴミ箱」機能です。この記事では、初心者の方にもわかりやすく、WordPressのゴミ箱の使い方・注意点・復元方法などを丁寧に解説します。
WordPressの「ゴミ箱」って何?まずは基本から理解しよう
WordPressには、削除した投稿やページなどを一時的に保管しておける「ゴミ箱」機能があります。
パソコンの「ごみ箱」と同じように、すぐには完全に削除されず、一定期間保存される仕組みです。
この機能は、誤って削除したコンテンツを簡単に復元できる点でとても便利です。特にWordPress初心者にとっては「うっかり削除」が付きもの。間違って消してしまっても、すぐに元に戻せる安心感があります。
WordPressでは、投稿・固定ページ・コメントといった主要なコンテンツがゴミ箱に入る対象となります。管理画面から操作した場合はもちろん、プラグインによる自動処理でもゴミ箱に移動される場合があります。
ただし、ゴミ箱に入れたまま放置すると、一定期間後には自動的に完全削除される点には注意が必要です。ゴミ箱は一時保存のための機能であり、長期保管場所ではありません。
ゴミ箱に入る対象はどんなもの?
WordPressのゴミ箱には以下のようなデータが対象となります:
- 投稿(記事)
- 固定ページ
- コメント
- カスタム投稿タイプ(プラグインによっては対応)
例えば、ブログ記事を整理しているときに、下書きのまま不要になった記事を削除するケースがあります。このとき、それらの投稿はまずゴミ箱に移動されます。
なぜこの仕組みが重要かというと、誤って必要なコンテンツを削除してしまった際に、すぐに復元できるからです。完全削除を即時に行う設定にしていた場合、後悔しても取り戻せないことがあります。
初心者の方がやってしまいがちな失敗は、「ゴミ箱に移動しただけで完全に削除された」と思ってしまうことです。実際には、ゴミ箱内に保管されているため、慌てずに確認してから復元や完全削除を判断しましょう。
また、商品ページやイベント情報など、定期的に更新・削除が必要なサイトでは、削除と復元の運用ルールをチーム内で統一しておくとトラブルが防げます。
ゴミ箱の場所はどこ?どこから確認するの?
ゴミ箱に入れたデータは、各セクション(投稿・固定ページ・コメントなど)の一覧ページから確認できます。
具体的には、WordPressの管理画面左メニューから「投稿」→「投稿一覧」にアクセスすると、上部に以下のようなリンクが表示されています:
- すべて
- 公開済み
- 下書き
- ゴミ箱
この「ゴミ箱」リンクをクリックすれば、中に入っている記事が一覧表示されます。
固定ページやコメントも同様に、「固定ページ一覧」「コメント一覧」画面に同じようなフィルターメニューがあります。
初心者の方は、このリンクに気づかず「削除された記事がどこにもない!」と焦ることがあります。まずは冷静に各一覧ページの上部をチェックしてみてください。
投稿やページをゴミ箱に入れる方法
記事を削除する方法はいくつかありますが、いずれも「ゴミ箱」機能を通じて安全に行えます。
実際の操作はとてもシンプルです。以下では、投稿一覧・固定ページ一覧・ブロックエディタの3つの方法を紹介します。利用シーンによって使い分けましょう。
投稿一覧から削除する方法
- WordPress管理画面の「投稿」→「投稿一覧」へ移動
- 削除したい記事の上にカーソルを置く
- 表示される「ゴミ箱へ移動」をクリック
この方法は、複数の記事をまとめて整理したいときに便利です。一覧表示されていることで、対象記事の状態やタイトルを確認しながら作業できます。
注意点としては、記事の状態(公開・下書き・非公開など)を間違えて削除しないようにすること。特に「非公開にして保留していた記事」などを誤って削除してしまうと、復元するまでに気づかないケースもあります。
固定ページでも基本操作は同じ
- 「固定ページ」→「固定ページ一覧」へアクセス
- 削除したいページの上にカーソルを置く
- 「ゴミ箱へ移動」をクリック
固定ページは、サイトのトップページやお問い合わせページなどに使われることが多いため、削除には慎重さが求められます。
間違って削除してしまうと、サイトの一部が表示されなくなる恐れもあるため、バックアップや事前確認を忘れずに行いましょう。
ブロックエディタからも削除できる
- 記事を開いた状態で、右上の「︙(三点メニュー)」をクリック
- 「ゴミ箱へ移動」を選択
この方法は、作業中に不要と判断した場合にすぐ削除できるというメリットがあります。
ただし、記事が未保存のままだと操作できない場合があるため、一度「下書き保存」をしてからゴミ箱へ移動することをおすすめします。
ゴミ箱からの復元・完全削除の方法
ゴミ箱に入れた投稿は、必要に応じて復元や完全削除が可能です。
「うっかり消した記事を元に戻したい」あるいは「もう不要なので完全に削除したい」など、目的に応じた操作方法をここで紹介します。
ゴミ箱から復元するには?
- 「投稿一覧」や「固定ページ一覧」から「ゴミ箱」をクリック
- 対象のコンテンツにカーソルを置く
- 「復元」をクリック
この復元機能は、誤操作からのリカバリー手段として非常に有効です。
例えば、チームメンバーが誤って記事を削除してしまった場合でも、復元を使えば元の状態に戻すことができます。
初心者が陥りがちな失敗は「ゴミ箱からもすぐ削除してしまう」こと。焦って操作するのではなく、慎重に確認するよう心がけましょう。
完全削除するには?
復元せず、記事を完全に削除したい場合は以下の手順です。
- 「ゴミ箱」を開く
- 対象記事にカーソルを合わせて「完全に削除」をクリック
この操作を行うと、該当コンテンツはデータベースから完全に消去され、復元することはできません。
そのため、完全削除を行う前に、本当に不要な記事であるかを慎重に確認してください。
複数まとめて処理する方法
ゴミ箱内の複数記事をまとめて復元または削除したい場合は、一括操作が便利です。
- ゴミ箱一覧で記事を複数選択
- 「一括操作」から「復元」または「完全に削除」を選択
- 「適用」をクリック
定期的に記事を整理する運用では、この一括処理が効率的です。ただし、まとめて削除する場合は「うっかり必要な記事を含めてしまう」ことに注意しましょう。
ゴミ箱の自動削除ルールを知っておこう
WordPressでは、ゴミ箱に入れたまま放置すると、自動的にデータが削除される仕組みがあります。
これは不要データを蓄積させず、サーバー容量を圧迫しないための設計ですが、知らずに放置すると大切な記事が消えてしまう恐れもあります。
デフォルトでは30日で自動削除
WordPressの標準設定では、ゴミ箱に入れたコンテンツは30日後に自動的に完全削除されます。
この日数は、開発側で「ユーザーが復元できる現実的な猶予期間」として設けられています。
たとえば、1カ月後に記事を修正しようとしたら「ゴミ箱から消えていた」…という事例も少なくありません。注意が必要です。
自動削除の設定を変更する方法
この30日の設定はカスタマイズ可能です。以下のようにwp-config.php
に記述を追加します。
※このコードを編集する際は、必ず事前にバックアップを取りましょう。
define('EMPTY_TRASH_DAYS', 7); // ゴミ箱を7日で空にする
このように、EMPTY_TRASH_DAYS
の値を変更することで、自動削除までの期間を柔軟に設定できます。
ゴミ箱機能に頼りすぎないために
どんなにゴミ箱が便利でも、「削除した後に後悔する」リスクはゼロにはできません。
そのため、定期的なバックアップを取る習慣を身につけましょう。
以下のようなプラグインがおすすめです:
- BackWPup:無料で自動バックアップ設定が可能
- UpdraftPlus:DropboxやGoogle Driveと連携してバックアップ保存可能
バックアップを行っておけば、万が一データが完全削除されても復元できる手段を確保できます。
よくあるゴミ箱に関するトラブルと対処法
ここでは、初心者の方が実際によく遭遇するゴミ箱関連のトラブルとその対処法を紹介します。
「復元できない」「ゴミ箱が見えない」などの不安を感じたら、まずはこのセクションを参考にしてください。
ゴミ箱が見当たらない
投稿や固定ページの一覧画面に「ゴミ箱」リンクが表示されない場合、以下のような原因が考えられます:
- ゴミ箱に入っているデータが1件もない
- 表示フィルターによって非表示になっている
まずは試しに1件投稿を削除して、リンクが表示されるか確認しましょう。
「復元」や「削除」ボタンが表示されない
JavaScriptの読み込み不具合や、特定のプラグインとの競合によって、ボタンが正しく表示されないことがあります。
対処方法:
- ブラウザのキャッシュをクリア
- プラグインを一時的に無効化
- 別ブラウザで管理画面にアクセス
自動削除されたと思ったら復元できない
30日以上経過して自動削除されたコンテンツは、WordPressの標準機能では復元できません。
この場合、バックアップデータからの復元が唯一の手段となります。日頃からバックアップを取っておくことの重要性がここで明確になります。
まとめ



WordPressのゴミ箱機能は、「うっかり削除」からあなたの大切な記事を守ってくれる心強い存在です。
この記事で紹介した削除・復元・完全削除・トラブル対応の方法を知っておくことで、より安全にサイト運営ができるようになります。
日々の運営の中で、ゴミ箱を正しく活用しつつ、万が一に備えてバックアップの習慣も身につけておきましょう。