WordPressのデバッグ方法をやさしく解説

WordPressのデバッグ方法のイメージイラスト
小ネタ君

WordPressの不具合やエラーに直面したとき、「何が原因か分からない…」と不安になる方も多いはず。画面が真っ白になったり、突然エラーメッセージが表示されたりすると、パニックになってしまいますよね。そんなときに役立つのが「デバッグ」です。この記事では、初心者でもできるWordPressのデバッグ方法をわかりやすく紹介します。難しそうに感じるかもしれませんが、基本的な手順を覚えれば、自分でトラブルを解決できるようになりますよ。

目次

WordPressのデバッグとは?初心者にもわかりやすく解説

「デバッグ」とは、WordPressの動作に問題があるとき、その原因を特定するための作業です。難しく感じるかもしれませんが、基本を押さえれば初心者でも実践できます。

デバッグとは何か?

デバッグとは、エラーや不具合の原因を突き止めて修正するための調査や検証のことです。プログラミングの世界では「バグ(虫)を取り除く」という意味で使われています。

WordPressでは、コードや設定、プラグインなどが原因で表示や動作に不具合が出ることがあります。これらの問題を見つけ出し、解決するのがデバッグの役割です。

デバッグが必要になる場面

WordPressでデバッグが必要になる典型的な場面をご紹介します:

  • サイトが真っ白になった(ホワイトスクリーン)
  • 特定のページでエラーが出る
  • プラグインが正しく動作しない
  • 管理画面にアクセスできない
  • サイトの表示が遅くなった

こうしたトラブルの原因を探るために、デバッグは欠かせません。原因がわからないまま闇雲に対処するよりも、しっかりと原因を特定してから解決策を実行する方が確実です。

参考:WordPressが真っ白になる9つの原因と対処法をプロが解説

初心者でもデバッグできる?

はい、できます。WordPressはシンプルにデバッグできる仕組みが用意されており、ツールやプラグインを使えば専門的な知識がなくても対応可能です。

最初は戸惑うかもしれませんが、この記事で紹介する方法を順番に試していけば、きっと問題を解決できるはずです。

デバッグのメリット

デバッグを覚えることで、以下のようなメリットがあります:

  • 問題の早期発見:小さな問題を見つけて、大きなトラブルを防げる
  • コスト削減:専門業者に依頼せずに自分で解決できる
  • スキルアップ:WordPressの仕組みをより深く理解できる
  • 安心感:トラブルが起きても冷静に対処できる

WordPressのデバッグ機能を知ろう

WordPressには、標準でデバッグ用の機能がいくつか用意されています。ここではその基本を紹介します。

WP_DEBUG定数とは?

WP_DEBUGは、WordPressのデバッグを有効にするための設定です。この設定を有効にすることで、普段は表示されないエラーや警告メッセージを確認できるようになります。

wp-config.phpに定義することで、エラーや注意事項を画面に表示できます。開発者がコードの問題を発見するために用意された機能ですが、初心者でも活用できます。

WP_DEBUG_LOGの役割

WP_DEBUG_LOGは、エラー情報をファイルに記録するための設定です。画面にエラーを表示するのではなく、ログファイルに保存することで、後からじっくりと確認できます。

本番環境では画面にエラーを表示させたくない場合に特に有効です。

debug.logの出力とは?

デバッグモードを有効にすると、エラー情報をログとして記録することが可能になります。このログは/wp-content/debug.logに保存され、後から確認できます。

ログファイルには、エラーが発生した日時、ファイル名、行番号などの詳細情報が記録されるため、問題の特定に役立ちます。

SCRIPT_DEBUGの使いどころ

CSSやJavaScriptの問題を確認したい場合、SCRIPT_DEBUGtrueにすることで、ミニファイされていない元ファイルを読み込めます。

これにより、デザイン崩れやスクリプトエラーの調査がしやすくなります。通常、WordPressは軽量化されたCSSやJavaScriptファイルを読み込みますが、デバッグ時には元の読みやすいファイルを使用できます。

その他のデバッグ定数

WordPressには他にも以下のようなデバッグ関連の定数があります:

  • WP_DEBUG_DISPLAY:エラーの画面表示を制御
  • SAVEQUERIES:データベースクエリの記録
  • WP_DISABLE_FATAL_ERROR_HANDLER:致命的エラーハンドラーの無効化

これらの定数を組み合わせることで、より詳細なデバッグが可能になります。

デバッグモードを有効にする手順

デバッグ作業のイメージイラスト

WordPressでデバッグを始めるには、設定ファイルの編集が必要です。以下の手順で進めてください。

wp-config.phpの場所と開き方

wp-config.phpは、WordPressのルートディレクトリにある重要な設定ファイルです。このファイルには、データベース接続情報やセキュリティキーなどの重要な設定が記述されています。

FTPソフトやサーバーのファイルマネージャーからアクセスできます。編集前には必ずバックアップを取ることをお勧めします。

ファイルの編集方法

wp-config.phpを開いたら、以下の行を探してください:

/* That's all, stop editing! Happy publishing. */

この行の前に、デバッグ用のコードを追加します。

WP_DEBUGをtrueに設定する

以下のように記述を追加または編集してください:

※以下のコードは、wp-config.phpファイルに追加する設定です。必ずバックアップを取ってから実行してください。

// デバッグモードを有効にする
define('WP_DEBUG', true);
define('WP_DEBUG_LOG', true);
define('WP_DEBUG_DISPLAY', false);
define('SCRIPT_DEBUG', true);
@ini_set('display_errors', 0);

各設定の意味は以下のとおりです:

  • WP_DEBUG:デバッグモードの有効化
  • WP_DEBUG_LOG:ログファイルへの出力
  • WP_DEBUG_DISPLAY:画面への表示(falseで非表示)
  • SCRIPT_DEBUG:非圧縮版のスクリプト読み込み

本番環境での設定

本番環境では、エラーメッセージを訪問者に見せないよう、以下の設定を推奨します:

define('WP_DEBUG', true);
define('WP_DEBUG_LOG', true);
define('WP_DEBUG_DISPLAY', false);
@ini_set('display_errors', 0);

エラーのログ出力と確認方法

ログは以下の場所に保存されます:

  • /wp-content/debug.log

ファイルが存在しない場合は、エラーが発生していないか、パーミッションの問題が考えられます。ログファイルは自動的に作成されますが、wp-contentディレクトリの書き込み権限が必要です。

ログファイルの読み方

debug.logファイルは、以下のような形式で記録されます:

[日付 時刻] PHP Notice: 詳細なエラー内容 in /path/to/file.php on line 123

この情報から、いつ、どのファイルの何行目で、どのような問題が発生したかを特定できます。

デバッグに便利なプラグイン紹介

コードを直接編集するのが不安な方には、プラグインを活用するのもおすすめです。

Query Monitorの使い方

Query Monitorは、WordPressのパフォーマンスやエラーを詳細に分析できる多機能プラグインです。

機能 内容 初心者向け度
クエリ確認 SQLクエリの実行内容を確認 ★★☆
フック確認 アクション・フィルターのフックを確認 ★☆☆
エラー表示 PHPエラーの表示 ★★★
パフォーマンス ページ読み込み時間の分析 ★★☆

管理画面からインストールし、有効化するだけで使えます。ツールバーに専用のメニューが表示され、クリックするだけで詳細な情報を確認できます。

Debug Barの基本機能

Debug Barは、WordPressのツールバーにエラーログやパフォーマンス情報を表示します。シンプルで使いやすく、初心者にもおすすめです。

他のDebug Bar拡張(例えば「Debug Bar Console」)と組み合わせることで、さらに詳細な情報も確認可能です。

ログを見やすくするプラグイン一覧

以下のプラグインを使うことで、より効率的にデバッグできます:

  • Log Deprecated Notices:非推奨関数の使用を検出
  • Error Log Monitor:エラーログをダッシュボードで確認
  • WP Crontrol:cronの管理とトラブルシュートに有効
  • Health Check & Troubleshooting:サイトの健全性をチェック

これらのプラグインは初心者でも扱いやすく、安全に情報収集できます。

プラグインの選び方

デバッグ用プラグインを選ぶ際は、以下の点を確認しましょう:

  • 更新頻度:定期的にアップデートされているか
  • 評価・レビュー:他のユーザーの評価が高いか
  • サポート:問題が発生した際のサポート体制
  • 互換性:使用中のWordPressバージョンに対応しているか

効果的なデバッグ手順

問題が発生したときに、効率的に原因を特定するための手順をご紹介します。

問題の切り分け方法

デバッグでは、問題を細分化して原因を特定することが重要です。以下の順序で確認しましょう:

  1. エラーメッセージの確認:具体的なエラー内容を把握
  2. 最近の変更の確認:プラグインの更新、テーマの変更など
  3. 環境の確認:サーバー、PHP、WordPressのバージョン

プラグインの影響を確認する方法

プラグインが原因でエラーが発生している場合は、以下の手順で特定できます:

  1. すべてのプラグインを無効化
  2. 問題が解決するか確認
  3. 一つずつプラグインを有効化して原因を特定

この方法により、問題のあるプラグインを安全に特定できます。

テーマの問題を特定する方法

テーマが原因の場合は、以下の手順で確認します:

  1. デフォルトテーマに切り替え
  2. 問題が解決するか確認
  3. 子テーマを使用している場合は親テーマもチェック

ログの活用方法

debug.logファイルを定期的にチェックすることで、問題の兆候を早期発見できます。特に以下のような情報に注目しましょう:

  • Fatal Error:致命的エラー
  • Warning:警告メッセージ
  • Notice:通知メッセージ
  • Deprecated:非推奨機能の使用

デバッグ時に注意したいこと

デバッグは便利ですが、正しく使わないと逆にトラブルを引き起こすこともあります。以下の注意点を守りましょう。

本番環境と開発環境を分ける

本番サイトではデバッグ情報を表示しないように設定し、できる限り開発環境で検証するのが理想です。

訪問者にエラーメッセージが表示されると、サイトの信頼性を損なう恐れがあります。

バックアップは必ず取る

ファイルの編集や設定変更の前には、必ずバックアップを取りましょう。レンタルサーバーの管理画面から取得できるものが多く、作業前に必須です。

特に、wp-config.phpファイルは重要な設定ファイルなので、編集前のバックアップは絶対に忘れないでください。

デバッグ情報の取り扱いに注意

ログにはパス情報やエラーコードなどの機密情報が含まれることがあります。外部に公開されるリスクを考慮し、扱いには慎重を期してください。

特に、以下の情報は外部に漏れないよう注意が必要です:

  • データベース接続情報
  • ファイルパス
  • サーバー情報
  • セキュリティキー

デバッグモードの解除

問題が解決したら、必ずデバッグモードを無効にしましょう。本番環境でデバッグモードを有効にしたままにすると、パフォーマンスの低下やセキュリティリスクが発生する可能性があります。

よくあるエラーの種類と対処法

デバッグエラーイメージイラスト

ここでは、初心者が遭遇しやすい代表的なエラーと、その解決方法を紹介します。

画面が真っ白になる(ホワイトスクリーン)

ホワイトスクリーンは、WordPressでよく発生する問題の一つです。原因としては、メモリ不足・コードの誤記・テーマやプラグインの競合が考えられます。

まずはデバッグを有効にしてログを確認し、使用中のテーマやプラグインを切り分けましょう。多くの場合、最近更新したプラグインやテーマが原因になっています。

WordPressが真っ白になるエラーについては、こちらの記事にてさらに詳しく解説しております。
参考:WordPressが真っ白になる9つの原因と対処法をプロが解説

Fatal errorが表示される

致命的なPHPエラーです。該当箇所とファイル名がエラーメッセージに含まれているため、ログを元に原因を特定します。

エラー行を一時的にコメントアウトし、問題の根本を修正する必要があります。自分で解決が困難な場合は、専門家に相談することをお勧めします。

データベース接続エラー

「データベース接続確立エラー」は、WordPressがデータベースに接続できない場合に発生します。

wp-config.phpのデータベース接続情報が間違っている可能性があります。以下の記述を再確認してください:

※データベース情報は、ご利用のレンタルサーバーの管理画面で確認できます。

define('DB_NAME', 'データベース名');
define('DB_USER', 'ユーザー名');
define('DB_PASSWORD', 'パスワード');
define('DB_HOST', 'localhost');

入力ミスやサーバー情報の変更がないかも確認しましょう。

500内部サーバーエラー

500エラーは、サーバー側で何らかの問題が発生した際に表示されます。原因は多岐にわたりますが、以下のような要因が考えられます:

  • .htaccessファイルの問題
  • プラグインの不具合
  • メモリ不足
  • パーミッション設定の問題

プラグインエラー

特定のプラグインでエラーが発生する場合は、以下の手順で対処します:

  1. 該当プラグインを無効化
  2. 最新バージョンに更新
  3. 設定を初期化
  4. 他のプラグインとの競合を確認

テーマエラー

テーマが原因のエラーは、以下の方法で解決できます:

  1. デフォルトテーマに切り替え
  2. 子テーマを使用
  3. functions.phpの記述を確認
  4. テーマファイルの権限を確認

高度なデバッグテクニック

基本的なデバッグに慣れてきたら、より高度なテクニックも覚えておくと便利です。

SQLクエリの確認

データベース関連の問題を調査する際は、実行されているSQLクエリを確認することが重要です。

以下のコードをwp-config.phpに追加すると、クエリを記録できます:

define('SAVEQUERIES', true);

メモリ使用量の監視

メモリ不足が原因でエラーが発生する場合は、以下の方法で使用量を確認できます:

echo 'メモリ使用量: ' . memory_get_usage() . ' バイト';
echo 'メモリ上限: ' . ini_get('memory_limit');

パフォーマンスの測定

ページの読み込み時間を測定することで、パフォーマンスの問題を特定できます。

Query Monitorプラグインを使用すると、詳細な測定結果を確認できます。

まとめ

小ネタ君

WordPressで不具合が起きたとき、慌てずに原因を探る「デバッグ」の力を知っておくと安心です。wp-config.phpの編集や、プラグインの活用で、初心者でもエラーの特定と解決が可能です。

作業前には必ずバックアップを取り、テーマ・プラグインの競合をチェックし、ログを活用して情報を見逃さないようにしましょう。これらを順番に実行すれば、ほとんどのエラーは自力で解決できます。

最初は難しく感じるかもしれませんが、一度覚えてしまえば、WordPressのトラブルを恐れることなく、安心してサイト運営を続けられるようになります。問題が発生した際は、この記事を参考に、落ち着いて対処してくださいね。

この記事を書いた人

日本でもっとも利用されているWordPressのサーバー移転&保守管理サービス『サイト引越し屋さん』のマーケティング事業部です。
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