WordPress初心者向け|プライバシーポリシー設定の方法

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小ネタ君

WordPressでWebサイトを運営する際、訪問者の信頼を得るためにも「プライバシーポリシー」は欠かせない要素です。特にお問い合わせフォームやアクセス解析を使う場合、個人情報の取り扱いに関する明示が法的にも必要になります。

この記事では、WordPress初心者でも迷わず設定できるよう、基本的な考え方から具体的な作成・設置方法、運用時の注意点まで詳しく解説します。プライバシーポリシーの設置は難しそうに思えますが、WordPressの標準機能を使えば驚くほど簡単に対応できます。

目次

プライバシーポリシーとは?まずは意味と目的を理解しよう

プライバシーポリシーの設定に入る前に、まずはその意味と必要性を正しく理解することが重要です。単なる形式的な作業ではなく、サイト運営の基盤となる重要な要素だからです。

プライバシーポリシーとは何か?

プライバシーポリシーとは、個人情報の収集や利用について、サイト運営者がどのように取り扱うかを明示するための文書です。訪問者が安心してサイトを利用できるよう、透明性を保つための重要な役割を果たします。

「個人情報を収集します」「こういう目的で使用します」「第三者には提供しません」といった内容を、わかりやすく記載することで、訪問者との信頼関係を築くことができます。

個人情報保護との関係性

日本では「個人情報保護法」により、特定の情報を収集・利用する際には、事前に目的や方法を明らかにすることが求められています。この法律は企業だけでなく、個人のブログやサイトでも適用される場合があります。

(2025年7月現在)2017年の個人情報保護法改正により、取り扱う個人情報の件数に関わらず(5000件以下であっても)、個人情報を取り扱うすべての事業者が法の適用対象となりました。そのため、個人のブログやサイトであっても、訪問者の個人情報を取得する際は、原則として個人情報保護法を遵守する必要があります。

なぜWordPressサイトにも必要なのか

WordPressサイトで以下のような機能を使用している場合、プライバシーポリシーが必須になります。

  • お問い合わせフォーム(名前、メールアドレスの収集)
  • アクセス解析(Google Analyticsなど)
  • コメント機能(投稿者情報の保存)
  • Cookie使用(セッション管理、トラッキング)
  • メール配信(メールマガジン、通知機能)

これらの機能は、多くのWordPressサイトで標準的に使用されているため、ほとんどのサイトでプライバシーポリシーが必要になるのが現実です。

WordPressでプライバシーポリシーページを作成する方法

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WordPressには、初期状態からプライバシーポリシーページを設定できる便利な機能があります。この機能を活用することで、初心者でも簡単にポリシーページを作成できます。

「プライバシー」設定画面へのアクセス方法

WordPress管理画面から「設定」>「プライバシー」を選択すると、プライバシーポリシーの設定ページが表示されます。この画面では、既存のページを指定するか、新しいページを作成するかを選択できます。

初めて設定する場合は、「新しいページを作成」を選択することをお勧めします。WordPressが自動的にサンプルテンプレートを提供してくれるため、そちらを元に編集を進めることができます。

サンプルページをベースにした作成方法

WordPressは「プライバシーポリシーのサンプル」を自動で提供しており、それを元に独自の内容へ編集可能です。サンプルには以下のような基本的な項目が含まれています。

  • 収集する情報の種類
  • 情報の使用目的
  • Cookieに関する説明
  • 第三者との情報共有
  • 連絡先情報

このサンプルを参考にしながら、自分のサイトに合わせて内容を調整していきましょう。

固定ページとして公開・設定する方法

作成したポリシーページを公開し、同じ「プライバシー」設定画面で「このページを使用」を選ぶことで、WordPressが内部的にそのページを認識します。

この設定により、WordPressの標準機能(コメント欄など)からプライバシーポリシーへのリンクが自動的に生成されるようになります。また、プラグインによってはこの設定を参照して、適切な箇所にリンクを表示してくれるものもあります。

プライバシーポリシーに入れるべき基本項目とは?

プライバシーポリシーには何を書けばいいのか。初心者にとって最も悩ましい部分でもあります。ここでは、一般的なWordPressサイトに必要な基本項目を詳しく説明します。

収集する個人情報の種類

まず最初に、どのような個人情報を収集するかを明確に記載します。一般的なWordPressサイトで収集される情報は以下の通りです。

  • 氏名、メールアドレス(お問い合わせフォーム経由)
  • IPアドレス、アクセス情報(アクセス解析)
  • Cookie情報(セッション管理、トラッキング)
  • コメント投稿時の情報(名前、メールアドレス、サイトURL)

これらの情報について、どのような場面で収集するのかを具体的に説明することが重要です。

取得目的と利用範囲

収集した情報をどのような目的で使用するのかを明確にします。目的を明示することで、訪問者の理解と同意を得やすくなります。

  • お問い合わせ対応(返信のため)
  • サイト改善やユーザー分析(アクセス解析データの活用)
  • セキュリティ対策(不正アクセスの防止)
  • コンテンツの最適化(閲覧傾向の分析)

利用範囲についても、「お問い合わせ対応以外には使用しません」といった制限を明記することで、訪問者の安心感を高めることができます。

Cookie・アクセス解析に関する記述

多くのWordPressサイトでGoogle AnalyticsやGoogle Search Consoleを使用しているため、Cookieとアクセス解析に関する記述は特に重要です。

  • Cookieの使用目的(サイト改善、利便性向上)
  • Google Analyticsなどの具体的なツール名
  • 第三者のサーバーへのデータ送信について
  • Cookieの無効化方法

これらの情報は、訪問者がCookieについて理解し、必要に応じて設定を変更できるよう、わかりやすく説明する必要があります。

第三者提供・外部サービスの使用について

WordPressサイトでは、様々な外部サービスを利用することが一般的です。これらのサービスについても適切に記載する必要があります。

  • Google Analytics、Google Search Console
  • SNSの埋め込み(Twitter、Facebook、Instagram)
  • YouTube動画の埋め込み
  • 広告配信サービス(Google AdSense等)
  • CDN(Content Delivery Network)サービス

これらのサービスを使用する場合は、それぞれのプライバシーポリシーへのリンクも合わせて記載することが望ましいです。
※各サービスのプライバシーポリシーへのリンクは、ご自身で最新のものをご確認の上、設定してください。

問い合わせ先・責任者情報

プライバシーポリシーに関する問い合わせや、個人情報の取り扱いについて質問がある場合の連絡先を明記します。

  • 運営者名(個人の場合は本名または屋号)
  • 連絡先メールアドレス
  • 問い合わせ対応時間(営業日・時間)
  • 住所(任意、但し信頼性向上のため記載推奨)

※これらの情報は、必ずご自身の正しい情報を記載してください。
連絡先は必ず有効なものを記載し、問い合わせがあった場合は迅速に対応することが重要です。

プラグインを使ってポリシーページを強化する方法

手動でプライバシーポリシーを作成するのが不安な方は、専用プラグインの活用が効果的です。プラグインを使用することで、より包括的で法的要件を満たしたポリシーを作成できます。

WP AutoTerms:基本項目の自動生成

WP AutoTermsは、プライバシーポリシーや利用規約の雛形を生成できるプラグインです。基本的な項目を素早く作成できますが、生成されるのは英語ベースのテンプレートであり、日本の個人情報保護法に完全に準拠しているわけではありません。

主な特徴:

  • プライバシーポリシーの自動生成
  • 利用規約の作成
  • Cookie通知バナーの設置
  • 法的要件に基づいた項目の自動追加

設定は比較的簡単ですが、生成された内容は必ずご自身の目で確認し、必要に応じて日本の法律やサイトの実態に合わせて調整してください。内容によっては、専門家の意見を参考にするのも安心です。

Complianz:Cookie対応も含めた包括的対策

Complianzは、GDPR(EU一般データ保護規則)をはじめ、世界各国のプライバシー規制に対応するための包括的なプラグインです。Cookie管理機能も充実しており、本格的な対応が可能です。

主な機能:

  • 地域別法律への対応(EU、カリフォルニア州など)
  • Cookie同意管理
  • プライバシーポリシーの自動生成
  • Cookie使用状況の詳細分析

このプラグインは機能が豊富な分、設定も複雑になりがちです。しかし、将来的に海外展開を考えている場合や、より厳格なプライバシー管理を行いたい場合には非常に有効です。

日本語対応の注意点と選び方のコツ

海外製プラグインを使用する場合は、日本語翻訳の品質と、日本の法律への対応状況を確認することが重要です。

  • 自動翻訳された文章は不自然な表現になりがち
  • 日本の個人情報保護法に特化した記述が不足する場合がある
  • 定期的なアップデートによる翻訳品質の変化

プラグインを選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。

  • 日本語翻訳の完成度
  • 日本の法律への対応状況
  • アップデート頻度とサポート体制
  • 他のプラグインとの互換性

ポリシーをサイト全体で適切に表示するには?

ポリシーをサイト全体で適切に表示するには?のイメージイラスト

作成したプライバシーポリシーは、訪問者が簡単に確認できるよう、適切な場所に配置することが重要です。法的要件を満たすだけでなく、ユーザビリティの観点からも戦略的に配置しましょう。

フッターへのリンク設置

最も一般的で効果的な配置場所は、サイトのフッター部分です。フッターは全ページに表示されるため、どのページからでもプライバシーポリシーにアクセスできます。

フッターに設置する際のポイント:

  • 他の重要なリンクと並べて配置
  • 文字サイズは読みやすい大きさに設定
  • 色は目立ちすぎず、かつ認識しやすいものを選択
  • 「プライバシーポリシー」という明確な文言を使用

多くのWordPressテーマでは、フッターメニューを簡単に編集できる機能が提供されています。

メニューナビへの追加方法

固定ページとして作成したプライバシーポリシーは、WordPressのメニュー機能を使ってナビゲーションに追加できます。

設定手順:

  1. 「外観」>「メニュー」を選択
  2. 編集したいメニューを選択
  3. 「固定ページ」からプライバシーポリシーページを追加
  4. 適切な位置に配置(通常は最後または利用規約の隣)
  5. 「メニューを保存」をクリック

メインナビゲーションに追加する場合は、メニューが複雑になりすぎないよう注意が必要です。

お問い合わせページとの連携

お問い合わせフォームを設置している場合は、フォームの近くにプライバシーポリシーへのリンクを配置することが効果的です。

具体的な配置方法:

  • フォームの上部に「お問い合わせ前にプライバシーポリシーをご確認ください」といった文言と共にリンクを設置
  • フォーム送信ボタンの近くに「プライバシーポリシーに同意の上、送信してください」といったチェックボックスを設置
  • 確認画面でプライバシーポリシーの要点を再度表示

これにより、訪問者が個人情報を入力する前に、その取り扱いについて確認できるようになります。

サイドバーウィジェットの活用

サイドバーにプライバシーポリシーへのリンクを設置することも効果的です。特に、お問い合わせページやコメント欄を重視するサイトでは有効な手段です。

  • テキストウィジェットを使用してリンクを作成
  • 「重要なお知らせ」ウィジェット内にリンクを含める
  • 運営者情報と合わせて表示

注意点とよくあるミスまとめ|トラブルを防ぐために

プライバシーポリシーの設置は、形式を整えるだけでは十分ではありません。継続的な管理と適切な運用が重要です。ここでは、よくあるミスとその対策について詳しく解説します。

雛形のまま公開してしまう

最も多いミスの一つが、テンプレートや雛形の内容をそのまま公開してしまうことです。

具体的な問題点:

  • 収集していない情報について記載されている
  • 使用していないサービスについて言及されている
  • 連絡先が架空の情報になっている
  • 実際の運用と内容が乖離している

対策:

  • 自分のサイトで実際に使用している機能を全て洗い出す
  • 収集している情報と記載内容を照合する
  • 連絡先情報は必ず有効なものに変更する
  • 定期的に内容と実態の整合性を確認する

古い情報を放置して更新しない

サイトの機能や使用しているツールが変更になった場合、プライバシーポリシーの内容も更新する必要があります。

更新が必要なタイミング:

  • 新しいアクセス解析ツールを導入した場合
  • SNS連携機能を追加・削除した場合
  • 広告配信を開始・停止した場合
  • お問い合わせフォームの項目を変更した場合
  • 新しいプラグインを導入した場合

更新の管理方法:

  • 年に1回は内容を見直す定期チェックを実施
  • 新機能を追加する際は、プライバシーポリシーの更新も同時に行う
  • 更新履歴を記録し、いつ何を変更したかを把握する

収集内容とポリシー内容が一致していない

実際に収集している情報と、プライバシーポリシーに記載されている内容が一致していない場合、信頼性を損なう可能性があります。

よくある不一致の例:

  • Google Analyticsを使用しているのに記載がない
  • コメント機能でIPアドレスを記録しているのに言及がない
  • メールマガジンを配信しているのに購読解除方法の記載がない
  • Cookie使用について詳細な説明がない

対策として以下を実施:

  • 現在使用している全ての機能を確認
  • 各機能で収集される情報を詳細に調査
  • プライバシーポリシーの内容と実際の収集内容を照合
  • 不一致があった場合は速やかに修正

法的要件への対応不足

個人情報保護法などの法的要件に対応していない場合、将来的に問題となる可能性があります。

確認すべき法的要件:

  • 個人情報の利用目的の明示
  • 第三者提供に関する同意
  • 個人情報の取り扱いに関する問い合わせ先の明記
  • 個人情報の開示・訂正・削除要求への対応方法

これらの要件については、必要に応じて専門家に相談することも重要です。

まとめ

小ネタ君

プライバシーポリシーは、単なる義務的な文書ではなく、訪問者との信頼関係を築くための重要なツールです。WordPressの標準機能を活用することで、初心者でも適切なプライバシーポリシーを作成し、設置することができます。

重要なポイントを再確認すると、まず自分のサイトで実際に収集している情報を正確に把握し、それに基づいてポリシーを作成することです。テンプレートを使用する場合も、必ず内容を自分のサイトに合わせて調整しましょう。

また、プライバシーポリシーは一度作成したら終わりではなく、サイトの機能変更やツールの追加・削除に合わせて定期的に更新することが重要です。訪問者が簡単にアクセスできるよう、適切な場所に配置することも忘れずに行いましょう。

最後に、不明な点がある場合は専門家に相談することをお勧めします。適切なプライバシーポリシーの運用により、訪問者からの信頼を得て、安心してサイトを利用してもらえる環境を整えることができるでしょう。

この記事を書いた人

日本でもっとも利用されているWordPressのサーバー移転&保守管理サービス『サイト引越し屋さん』のマーケティング事業部です。
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