
「このサイトにアクセスできません」「データベース接続エラー」など、原因も対処法も分からず不安になる方も多いでしょう。
この記事では、WordPress初心者でもすぐに対処できるよう、エラーの種類ごとに原因と解決法を丁寧に解説します。
さらに、コード例や注意点、プラグインの活用法も交えて、実用的な知識をしっかり押さえられる内容となっています。
WordPressにエラーが表示される原因とは?
「WordPressがエラーを出す=壊れた」わけではありません。
ほとんどのケースでは、設定ミス・環境の変化・更新エラーなどが要因です。
たとえば、プラグイン同士の競合や、サーバー側の仕様変更、PHPのバージョンが合っていないといった細かな違いが、思わぬトラブルを引き起こします。
サーバー設定のミス
特に独自ドメインを使っている場合、ネームサーバーやFTP接続設定の誤りがエラー表示の原因になります。
- FTPソフトのホスト名が間違っている
.htaccess
の記述エラーによってリダイレクトループが起こっている- サーバー側でSSL未設定なのにHTTPSへ転送している
プラグインやテーマの不具合
WordPressは拡張性が高い一方で、異なる開発者が作ったプラグインやテーマが干渉することがあります。
- 最新のプラグインが古いテーマと非互換
- 特定のキャッシュ系プラグインが動作をブロック
- 外部API連携でタイムアウトが発生
「更新した直後にエラーが出た」という場合、その変更が引き金です。
WordPress本体の更新ミス
更新ボタンを押したタイミングでネットが切れたり、メモリ制限を超えたりすると、メンテナンスモードが解除されないままになることも。
これは一時ファイルの削除で復旧可能なケースが多いです。
PHPのバージョン不一致
WordPressはPHPという言語で動いており、古すぎるPHPでは新機能が動かないことがあります。逆に、プラグイン側が古い仕様を要求する場合も。
サーバーでバージョンを手動で選べる場合もあります。
よくあるWordPressエラー表示と対処法
エラーには「名前」があります。その名前を正しく把握すれば、原因の特定スピードが格段に上がります。
以下に代表的なエラー表示と対処法を紹介します。
「このサイトにアクセスできません」
これはブラウザ側の接続がサーバーと確立できなかったときに出ます。
- ドメインの有効期限が切れていないか
- サーバーがメンテナンス状態ではないか
- CloudflareやWAFが通信をブロックしていないか
特にドメイン取得後72時間以内はDNS反映の遅れがあるので、待つのも一手です。
参考:『このサイトにアクセスできません』エラーの原因と7つの解決方法
「データベース接続確立エラー」
WordPressがMySQLと通信できない場合に出ます。
define('DB_NAME', 'example_db'); define('DB_USER', 'example_user'); define('DB_PASSWORD', 'your_password'); define('DB_HOST', 'localhost');
※このコードはwp-config.php
に記載されています。
※DB名やユーザー名などは、ご自身のサーバー設定に従ってください。
サーバーパネルでDBが動作しているかも確認しましょう。
「HTTPエラー 500(内部サーバーエラー)」
致命的なエラーで、原因が特定できないときに多く表示されるものです。
- .htaccessを初期化
- プラグインを全停止
- PHPメモリ制限を増やす
.htaccess
の初期化には以下のコードを使います。
# BEGIN WordPress <IfModule mod_rewrite.c> RewriteEngine On RewriteBase / RewriteRule ^index\.php$ - [L] RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d RewriteRule . /index.php [L] </IfModule> # END WordPress
※この内容を貼る前に、必ず.htaccess
のバックアップを取りましょう。
「404 Not Found」
URLに対応するファイルが見つからないときのエラーです。
- 記事のURLスラッグを変更していないか
- カスタム投稿タイプのパーマリンクが崩れていないか
WordPress管理画面から「パーマリンク設定」→「保存」をクリックするだけで、多くは修正されます。
wp-config.phpを使ったデバッグ方法
「どこで・なぜ」エラーが起きたかを知るには、wp-config.php
でデバッグモードを有効にするのが最も手軽です。
デバッグモードを有効にする方法
以下のコードをwp-config.php
の最後に追加します。
define( 'WP_DEBUG', true ); define( 'WP_DEBUG_LOG', true ); define( 'WP_DEBUG_DISPLAY', false );
※この設定で、エラー内容が「wp-content/debug.log
」に記録されます。
初心者が気をつけるべきポイント
- 表示ではなくログファイルで確認することで、セキュリティリスクを軽減
- 表示が「白い画面」でも、ログにはエラーが記録されている場合があります
プラグインによるエラー原因の特定と対処法
プラグインは便利ですが、多く入れると予期せぬ不具合が起きる原因にもなります。
管理画面にアクセスできる場合
- すべてのプラグインを一時停止してから1つずつ有効化
- 直前にインストール・更新したものを優先的にチェック
管理画面にアクセスできない場合
FTPで以下のように対応します。
/wp-content/plugins
を「plugins_backup
」などにリネーム- 自動的に全プラグインが無効化されます
不具合検知に便利なプラグイン
- Health Check & Troubleshooting:診断専用モードあり
- Error Log Monitor:管理画面でエラーログ表示
テーマによるエラーとその対処法
特に海外製テーマはPHPバージョン依存の機能を使っていることがあり、サーバーとの相性問題が起こりがちです。
テーマが原因か見分ける方法
管理画面が表示されない場合、以下の対応が有効です。
- FTPで「
/wp-content/themes
」を開く - 使用中テーマのフォルダ名を一時変更
- デフォルトテーマ(Twenty Twenty-Fourなど)が適用される
テーマの再インストール手順
- 管理画面 → 外観 → テーマ → 新規追加
- 同名テーマでも「再インストール」をクリック可能
.htaccessファイルの修正で解決するケース
.htaccess
は、リダイレクトやパーマリンク設定の中枢を担う重要ファイルです。
よくある.htaccessの問題例
- 301リダイレクトのループ
- WAF設定と干渉
- セキュリティコードの書き過ぎ
初期化コード再掲
# BEGIN WordPress <IfModule mod_rewrite.c> RewriteEngine On RewriteBase / RewriteRule ^index\.php$ - [L] RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d RewriteRule . /index.php [L] </IfModule> # END WordPress
※この内容に置き換える前に、元の.htaccess
を必ず保存しておいてください。
PHPバージョンと互換性の目安
WordPressは、公式な動作要件としてPHP 7.4以上を定めています。お使いのテーマやプラグインが最新のPHPに対応していない場合も多いため、まずはこの基準を満たしているかご確認ください。
その上で、もしサーバーやテーマの環境が許すのであれば、より新しいPHP 8.0以降のバージョンへ更新すると、サイトのセキュリティや表示速度の向上が期待できます。ご自身のサイトが問題なく動作する範囲で、無理なくアップデートをご検討ください。
参考:WordPressのPHPバージョンをアップさせる方法と注意点
エラー対策としてのバックアップと復元
最も重要なのは、エラーが出る前に戻せる状態を作っておくことです。
おすすめバックアッププラグイン
- UpdraftPlus:Googleドライブ等に自動保存可
- BackWPup:スケジュール設定も柔軟
参考:【3パターン】WordPressバックアップ方法をプロが解説
復元時の注意点
- 同じプラグインを使って復元する
- データベースとファイルの両方を戻す
まとめ



原因を正しく理解し、冷静に対処すればほとんどが自力で直せます。
日々のバックアップ、環境の整備、そして正しい知識があれば、初心者でもWordPress運営に自信を持てます。
「困ってから」ではなく「困る前」に、ぜひ本記事の内容を活用してください。