
「自分らしいWebサイトにしたいけど、最初に何をすればいいの?」そんな初心者の方には、まず「ヘッダー画像の設定」がおすすめです。ヘッダー画像は、サイトの印象を大きく左右する重要な要素です。この記事では、WordPressでヘッダー画像を設定する方法から、おしゃれに仕上げるコツまで、初心者の方でも分かりやすく解説します。
ヘッダー画像とは?役割と効果を理解しよう
ヘッダー画像は、サイトの顔ともいえる大事な要素です。訪問者が最初に目にする部分だからこそ、こだわる意味があります。まずは、ヘッダー画像の基本的な役割と効果について理解しましょう。
WordPressにおけるヘッダー画像とは?
ヘッダー画像とは、Webサイトの上部に表示される大きな画像のことです。サイトのタイトル部分やナビゲーションメニューの背景として使われることが多く、サイト全体の世界観を表現する重要な要素です。
WordPressでは、多くのテーマでヘッダー画像をサポートしており、管理画面から簡単に設定できます。画像を変更するだけで、サイトの雰囲気をガラリと変えることができるのが特徴です。
ロゴ・背景画像との違いとは?
ロゴは「ブランドを表す記号」、背景画像は「サイト全体の背景」に対して、ヘッダー画像は「ページ最上部の装飾」に使われます。それぞれの役割を理解して、適切に配置することが大切です。
ロゴは企業や個人のアイデンティティを表現する小さな画像で、通常は透明な背景を持ちます。一方、ヘッダー画像はサイトの上部を覆う大きな画像で、サイト全体の雰囲気を演出します。
背景画像は、コンテンツの後ろに表示される画像で、テキストの可読性を考慮して薄い色調で設定することが多いです。
ヘッダー画像がもたらす印象と効果
ヘッダー画像には、以下のような効果があります。
- 雰囲気・世界観を伝える:色調やモチーフによって、サイトのコンセプトを視覚的に表現
- サイトの信頼感を高める:プロフェッショナルな印象を与え、訪問者の信頼を獲得
- 記憶に残るデザインを実現する:印象的な画像で、サイトを覚えてもらいやすくする
ユーザーの第一印象を左右する重要なパーツです。適切に選択されたヘッダー画像は、訪問者の滞在時間を延ばし、コンバージョン率の向上にも貢献します。
ヘッダー画像の種類と活用シーン
ヘッダー画像には、静的な画像だけでなく、動的な要素を含む場合もあります。写真、イラスト、グラフィックデザイン、動画など、さまざまな形式が使用できます。
企業サイトでは風景や建物の写真、ブログでは個人の写真やイラスト、ECサイトでは商品画像など、サイトの目的に応じて適切な画像を選ぶことが重要です。
WordPressでヘッダー画像を設定する基本手順
管理画面からの操作で簡単に設定できます。初心者の方も安心して取り組める方法を、順を追って説明します。
WordPress管理画面へのアクセス
まず、WordPressの管理画面にログインします。サイトのURLの後に/wp-admin/
を付けてアクセスするか、サイトの下部にある「管理画面」リンクをクリックします。
ログイン後、左側にメニューが表示されます。このメニューから「外観」を探し、その中の「カスタマイズ」をクリックします。
カスタマイザーを開く手順
WordPress管理画面の左メニューから「外観 > カスタマイズ」を選びます。カスタマイザーが開くと、画面の右側にサイトのプレビューが表示され、左側に設定メニューが表示されます。
テーマによっては「ヘッダー画像」や「ヘッダーメディア」という項目があります。これらの名称は、使用しているテーマによって異なる場合があります。
「ヘッダー画像」項目の見つけ方
「カスタマイズ」画面に入ったら、左側のメニューの中から「ヘッダー画像」を探します。テーマによっては「ヘッダー」「サイトアイデンティティ」「ヘッダーメディア」などの名称で表示されることもあります。
見つからない場合は、テーマが非対応の可能性もあります。その場合は、テーマの説明書やサポートページを確認してください。
画像のアップロードとプレビュー
「新規画像を追加」または「画像を選択」ボタンをクリックします。メディアライブラリが開くので、既存の画像を選ぶか、新しい画像をアップロードします。
画像を選択するとリアルタイムでプレビューが表示されます。右側のプレビュー画面で、実際にサイトに表示される様子を確認できるため、画像を見ながら調整できるのがポイントです。
画像サイズの調整と切り抜き
画像の推奨サイズが表示されることがあります。その場合は、事前にサイズを調整しておくときれいに表示されます。アップロード時には、トリミング(切り抜き)機能が使えることもあります。
画像のサイズが推奨サイズと異なる場合、WordPressが自動的にリサイズしてくれますが、画質が劣化する可能性があります。可能な限り、推奨サイズに近い画像を用意することをおすすめします。
設定の保存と公開
画像の設定が完了したら、「公開」または「保存」ボタンをクリックします。設定がサイトに反映され、訪問者にも新しいヘッダー画像が表示されるようになります。
変更内容に満足できない場合は、「破棄」ボタンをクリックして元に戻すことができます。
テーマ別の設定ポイントと注意点
テーマによってヘッダー画像の表示やサイズが異なります。よく使われるテーマを例に、違いを紹介します。
デフォルトテーマ(Twentyシリーズ)の場合
Twenty Twenty-OneやTwenty Twenty-Threeでは、シンプルなレイアウトでヘッダー画像の扱いも基本的なものになっています。これらのテーマでは、ヘッダー画像は主にフロントページに表示されます。
特定のテンプレートにのみ表示されることがあるため、全ページで表示したい場合は設定を確認しましょう。また、Twenty Twenty-Fourなどの新しいテーマでは、ブロックエディタを使った設定方法に変更されている場合があります。
人気テーマ「Cocoon」の設定方法
Cocoonでは「Cocoon設定 > ヘッダー」から画像を登録できます。Cocoonは日本で開発されたテーマで、日本語での設定画面が用意されています。
ヘッダーロゴと背景画像を分けて設定できるため、細かいカスタマイズが可能です。また、モバイル版とPC版で異なる画像を設定する機能もあります。
AstraやLightningなど他テーマの違い
Astraでは「Customizer > Header Builder」から、「Lightning」では「カスタマイザー > ヘッダー画像」で設定します。AstraはWordPressの標準的なカスタマイザーを使用しているため、設定方法は比較的シンプルです。
Lightningは日本の企業が開発したテーマで、「VK Blocks」などの独自プラグインと連携した設定が可能です。テーマの公式ドキュメントも合わせて参照するのがおすすめです。
テーマによっては非対応の可能性も?
一部のテーマでは、カスタマイザーに「ヘッダー画像」機能が存在しないこともあります。特に古いテーマや、独自のカスタマイズシステムを採用しているテーマでは、この傾向が見られます。
その場合はウィジェットやCSSなど、別の手段が必要になります。テーマの説明書やサポートフォーラムで、代替方法を確認しましょう。
子テーマでの設定時の注意点
子テーマを使用している場合、親テーマのヘッダー画像設定が継承されます。子テーマ独自の設定がある場合は、親テーマの設定よりも優先されるため、意図しない表示になることがあります。
子テーマでカスタマイズを行う際は、親テーマの機能を理解した上で設定することが大切です。
ヘッダー画像をおしゃれに見せるコツ
見た目を整えるためのコツを紹介します。ヘッダー画像ひとつで、サイトの印象は大きく変わります。
画質とファイルサイズの最適化
高画質すぎる画像はページの読み込み速度を遅くします。JPEG形式で圧縮し、150〜300KB程度に収めるのが理想です。
画像圧縮ツールを使用して、見た目の品質を保ちながらファイルサイズを小さくしましょう。「TinyPNG」や「Optimizilla」などのオンラインツールが便利です。
文字を重ねる場合の視認性対策
文字が読みづらくなる場合は、画像を暗めに加工したり、文字に背景色をつけることで視認性が上がります。文字の影(ドロップシャドウ)を付けるのも効果的です。
白い文字には黒い縁取りを、黒い文字には白い縁取りを付けることで、どのような背景色でも読みやすくなります。
トーン・色合いを統一する重要性
サイト全体の色と合っていないと、違和感のあるデザインになってしまいます。ブランドカラーに近いトーンで統一感を出しましょう。
色相環を参考にして、補色や類似色を使い分けることで、調和の取れたデザインを作れます。
画像の構図とバランス
ヘッダー画像では、「三分割法」を意識した構図が効果的です。画像を縦横3分割したときの交点に、重要な要素を配置するとバランスの良い構図になります。
また、左右の重量バランスを考慮して、視線の流れを意識した配置を心がけましょう。
季節感やトレンドを取り入れる
定期的にヘッダー画像を変更することで、サイトに新鮮さを保てます。季節の移り変わりに合わせて画像を変更したり、業界のトレンドを反映させたりすることで、訪問者に「更新されているサイト」という印象を与えられます。
特に、年末年始や夏休みなどのシーズンイベントに合わせた画像変更は、訪問者の関心を引きやすくなります。
CSSで自由にカスタマイズする方法
テーマの機能では物足りない場合は、CSSで細かく調整することも可能です。以下に基本例を紹介します。
基本的なCSS設定の準備
CSSでヘッダー画像をカスタマイズする前に、使用しているテーマのCSSクラス名を確認しましょう。ブラウザの開発者ツール(F12キー)を使って、ヘッダー部分のHTML構造を調べます。
多くのテーマでは、.site-header
、.header
、.masthead
などのクラス名が使用されています。
背景画像として表示させる方法
※このコードは.site-header
に適用する場合の例です。テーマに合わせて調整してください。
.site-header { background-image: url('※このURLはご自身の画像URLに変更してください'); background-size: cover; background-position: center; height: 300px; }
background-size: cover;
は、画像を要素全体に拡大して表示します。background-position: center;
は、画像の中央部分を表示の中心にします。
画像の繰り返しや位置調整
.site-header { background-repeat: no-repeat; background-position: top center; background-attachment: fixed; }
background-repeat: no-repeat;
は画像の繰り返しを無効にし、background-attachment: fixed;
は画像を固定してスクロール時の視差効果を演出します。
レスポンシブ対応のポイント
モバイルでもきれいに表示させるには、メディアクエリで高さや表示方法を変更します。
@media screen and (max-width: 767px) { .site-header { height: 180px; background-size: contain; background-position: center top; } }
モバイル画面では、画像の重要な部分が確実に表示されるようにbackground-size: contain;
を使用することもあります。
画像に重ねるテキストのスタイリング
ヘッダー画像の上にテキストを重ねる場合のCSSコードです。
.site-header .header-text { position: absolute; top: 50%; left: 50%; transform: translate(-50%, -50%); color: white; text-shadow: 2px 2px 4px rgba(0,0,0,0.5); font-size: 2em; font-weight: bold; }
text-shadow
プロパティを使って、テキストに影を付けることで可読性を向上させます。
アニメーション効果の追加
CSSアニメーションを使って、ヘッダー画像に動きを付けることもできます。
.site-header { background-image: url('※このURLはご自身の画像URLに変更してください'); background-size: 110%; animation: zoomIn 20s ease-in-out infinite alternate; } @keyframes zoomIn { 0% { background-size: 100%; } 100% { background-size: 110%; } }
このコードは、背景画像をゆっくりと拡大・縮小させる効果を作ります。
プラグインを活用した高度な設定
WordPressのプラグインを使うことで、より高度なヘッダー画像の設定が可能になります。
Header Footer Elementorプラグイン
「Header Footer Elementor」は、Elementorページビルダーを使ってヘッダーを自由にデザインできるプラグインです。ドラッグ&ドロップで直感的にヘッダー画像を配置できます。
複数の画像を組み合わせたり、テキストやボタンを重ねたりする高度なレイアウトが可能です。
WP Super Cacheとの連携
画像の最適化とページ速度の向上のために、「WP Super Cache」などのキャッシュプラグインとの連携も重要です。ヘッダー画像が正しくキャッシュされるように設定しましょう。
EWWW Image Optimizerで画像最適化
「EWWW Image Optimizer」プラグインを使うと、アップロードした画像を自動的に最適化してくれます。ヘッダー画像のファイルサイズを削減し、ページの読み込み速度を向上させます。
スマートフォン対応の重要性
現代のWebサイトでは、スマートフォンでの表示が非常に重要です。ヘッダー画像もモバイル対応を意識して設定しましょう。
モバイルファーストの考え方
デザインを考える際は、まずスマートフォンでの表示を優先して設計し、その後にPCでの表示を調整する「モバイルファースト」の考え方が重要です。
縦向き画像の活用
スマートフォンでは画面が縦長になるため、横長の画像だけでなく、縦向きやスクエアの画像も用意することで、より良い表示が可能になります。
タッチ操作への配慮
スマートフォンでは、ヘッダー画像の上にボタンやリンクを配置する場合、タップしやすいサイズ(最低44px四方)を確保することが重要です。
SEO効果とパフォーマンス最適化
ヘッダー画像は、SEO(検索エンジン最適化)にも影響を与えます。適切な設定でSEO効果を高めましょう。
altタグの重要性
ヘッダー画像にも、適切なalt属性を設定することで、画像検索での露出を高められます。サイトの内容を表す適切なキーワードを含めましょう。
画像のファイル名最適化
画像ファイル名も、SEOに影響します。「header-image.jpg」よりも「tokyo-restaurant-header.jpg」のように、具体的で分かりやすい名前を付けましょう。
構造化データの活用
JSON-LD形式で構造化データを記述することで、検索エンジンにサイトの情報をより正確に伝えられます。
よくある質問(Q&A)
Q1:ヘッダー画像の推奨サイズはありますか?
A:テーマによって異なりますが、一般的には「横1200〜2000px × 縦300〜600px」が目安です。最近のテーマでは、高解像度ディスプレイに対応するため、より大きなサイズを推奨している場合もあります。
具体的には、横1920px × 縦600px程度があれば、多くのテーマで適切に表示されます。
Q2:画像が反映されないのはなぜ?
A:キャッシュの影響や、テーマ・プラグインとの競合が考えられます。一度キャッシュを削除し、再度確認しましょう。また、ブラウザのキャッシュをクリアしたり、別のブラウザで確認することも有効です。
画像のファイル形式やサイズに問題がある場合もあるため、推奨される形式(JPEG、PNG)で保存し直してみてください。
Q3:モバイルとPCで別の画像にできますか?
A:テーマによっては可能です。CSSのメディアクエリを使って切り替える方法もあります。また、「WP Mobile Detect」などのプラグインを使用して、デバイスに応じた画像を表示させることも可能です。
Q4:ロゴと画像の併用は可能ですか?
A:多くのテーマではロゴとヘッダー画像の併用が可能です。ただし配置のバランスに注意しましょう。ロゴが背景画像に埋もれてしまわないよう、コントラストを意識することが大切です。
Q5:ヘッダー画像を非表示にするには?
A:カスタマイザーで「削除」またはCSSでdisplay: none;
を指定することで非表示にできます。テーマによっては、「ヘッダー画像を表示する」のチェックボックスを外すだけで非表示にできる場合もあります。
Q6:動画をヘッダーに使用できますか?
A:対応しているテーマであれば可能です。「ヘッダー動画」や「ヘッダーメディア」の設定項目を探してみてください。ただし、動画ファイルはサイズが大きくなりがちなので、ページの読み込み速度に注意が必要です。
Q7:著作権フリーの画像はどこで入手できますか?
A:「Unsplash」「Pixabay」「Pexels」などのサイトで、高品質な著作権フリー画像を入手できます。ただし、商用利用の際は利用規約を必ず確認してください。
まとめ



ヘッダー画像は、WordPressサイトの印象を左右する重要な要素です。テーマの機能を使えば簡単に設定でき、CSSを使えば自由なデザインも可能です。
適切なサイズと品質の画像を選び、サイト全体の色調と調和させることで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。また、モバイル対応やSEO対策も忘れずに行いましょう。
まずは、現在使用しているテーマに合った方法で画像を設定してみてください。慣れてきたら、CSSやプラグインを使った高度なカスタマイズにも挑戦してみましょう。自分だけのオリジナルサイトを、ヘッダー画像から始めてみてください。